ANA新千歳空港では、ESGプロモーションリーダーを配置し、リスク管理活動を推進する体制を構築しています。
ESGプロモーションリーダーは、会社全体のリスク管理を統括する立場として、各部署とリスク対策を計画的に実施するとともに、危機対応にあたる役割を担っています。
また、新千歳空港を中心とするBCP(Business Continuity Plan)を策定し、ANAグループ各社との連携を図ることでリスクマネジメント強化に努めています。
ANA新千歳空港(株)では、全ての従業員が心身ともに健康で、イキイキと仕事ができる職場づくりを目指し、「ANAグループ健康経営宣言」に則って、様々な施策に取り組んでいます。
2017年4月には健康管理体制として千歳グループ健康管理室を設立し、従業員の「こころとからだ」をサポートする仕組みを充実させ、健康増進に向けた取り組みの強化を図っています。
従業員・健康保険組合・会社が三位一体となって実戦していくことに加え、ANA グループ健康経営の最高責任者であるCWO(Chief Wellness Officer)指揮の下、個社でWO(Wellness Officer)とWL(Wellness Leader)を選出、またWLは社内各部から選出されたWS(Wellness Supporter)と連携し、社員の健康にかかわる状況を正確に把握した上で、各種健康増進施策を進めていきます。
① 健康管理の取り組み
② 疾病予防にかかわる取り組み
③ メンタルヘルスにかかわる取り組み
④ 安全衛生活動にかかわる取り組み
「千歳グループ健康管理室」では、定期健康診断の結果を受けて、ANA グループで共通化された診断項目・判定基準・システムにより、産業医および保健師が一人ひとりの健康を適切にサポートしています。
●定期健康診断受診率100%
2020年度以降100%達成
健診後の精密検査介⼊率100%(ハイリスク者への施策)
●特定保健指導実施率の向上
●がん予防、女性特有の疾病対策
定期健診では「大腸がん検査」「乳腺エコー検査」を実施しているほか、毎年10月のピンクリボン月間では、「乳房触診モデル」を使用し、乳がんの早期発見に向けた啓発活動を行っています。
また、毎月の健康だよりに加え、「女性の健康に特化した健康だより」も発行しています。
●禁煙への取り組み
「煙のない職場環境を目指す」というANAグループの方針に基づき、産業医による禁煙セミナーの開催、卒煙相談窓口の設置のほか、社内喫煙室の全面閉鎖を行いました。今後も健康保険組合と連携し禁煙サポートを行います。
2021年9月に実施した禁煙セミナーでは対象者の6割が禁煙チャレンジを宣言!
●高年齢従業員の健康対策
60歳を迎える従業員に対して、「バランスチェック」と「健康確認」を実施しています。また、年に一度「高年齢労働者に配慮した作業負担管理状況チェック」を行い、長く働くことのできる環境を整えています。
●新型コロナウイルス感染症対策
事務所や休憩室には、感染症対策の為のアクリルパネルやアルコール消毒セットを設置すると共に、手洗いチェッカーを使用した正しい手洗い方法の教育を実施しました。さらに自治体の措置レベルに応じて、リモートワークによる出社率の抑制、会議室利用時の人数制限、休憩時間における個食・黙食の実施等、徹底した対策を講じております。
●生活習慣予防の取り組み
▲MY HEALTH WEB、
歩Fes(あるフェス)PR画像
全従業員にMY HEALTH WEB(個人向け健康増進アプリ)を導入しています。アプリから健康診断の結果を閲覧することができ自分の健康状態を把握することが可能です。
また、ウォーキングイベント「歩Fes(あるフェス)」を通じ、従業員の健康保持、増進に取り組んでいます。
※ウォーキングイベント参加者(2021年度98名)
ANAグループのメンタルヘルスアドバイザー(精神科医師)によるセミナーを開催し、メンタルヘルスの正しい知識を学んでいます。全社員を対象としたストレスチェックを定期的に実施し、高ストレス判定者には産業医との面談機会を設定しています。ストレスチェックの結果をもとに組織分析を⾏い、部署別で課題を抽出し、職場環境の改善に取り組んでいます。保健師による新入社員・異動者へのメンタルサポート面談を実施し、従業員の心の健康をサポートする体制も整えています。「テレワーク時の健康管理やメンタルヘルス」に関する健康だよりを発⾏し、「こころの健康づくり」に継続して取り組んでいきます。また、定期的な1on1ミーティングを実施し、部下の悩みや不安に関し、上司が寄り添いながら、お互いの関係性を築いています。
安全衛生委員会の開催に合わせて、保健師による「千歳健康だより」を発行しています。
各部署における「労働危険マップ」を作成し、労働災害防止を図り、従業員の安全を守っています。
また、週に一度、心身のリフレッシュを目的に、社内で「ANAグループ体操」を実施しています。
従業員が健康かついきいきと働くことのできるよう、安全衛生活動の展開をさらに強化していきます。
テーマ | 実施内容 |
メンタルヘルスに関するセミナー | コロナ禍におけるメンタルヘルスの保持増進等を図る |
卒煙セミナー | コロナ感染時の重症化リスクを知り、禁煙を促進する |
女性の健康セミナー | PMS※1や痛みなど、働く女性と月経や女性特有のがんについて理解の促進を図る |
乳がん健診啓発イベント | 体験談を踏まえ、乳がん健診の促進を図る |
心と体の緊張緩和セミナー | 心と体の緊張を和らげる「呼吸法」や「自律訓練法」などを体験する |
しなやかな筋肉形成~けがをしない体を作る~セミナー | 筋肉の形成を通じて、けがをしないしなやかな体を作る |
熱中症セミナー | 外部講師による熱中症対策 |
感染症セミナー | コロナ禍における感染症対策 |
新入社員向けセミナー | 新入社員を対象に労働安全衛生・健康経営に関する基本的事項に関する理解の促進を図る |
衛生管理者へのリカレント研修 | 衛生管理者の職務、法改正事項などの最新知識を再確認する |
「ANAグループ健康経営」の推進に向けて、課題から指標を設定し、その指標向上に向けて、PDCAサイクルを循環させています。また取り組みの経営に対する影響の分析を行うべく、健康関連コストとして、アブセンティーズム・プレゼンティーズムのデータを分析しています。
●生活習慣病の有無
年々生活習慣病者が増加しています。
その背景としてコロナ禍によるリモートワークの増加やステイホーム等によって、運動習慣や食生活に代表される生活習慣が大きく変化したと考えられます。運動習慣や食事習慣(生活習慣)に関する施策を充実させることで、従業員の健康意識を向上させていきます。
●BMIの分布
男女ともに7割は標準体重でした。
男性の2割近くが肥満で年齢が上がると高くなる傾向にある一方、女性は1割が低体重でした。低体重は腰痛などに悪いだけではなく、貧血(疲れやすい・だるい)、妊娠・出産時のリスクを巻き起こす可能性もあることから、肥満と同様に適正体重とすべく取り組んでいくことが重要ということが確認できます。
※2022年度定期健康診断者を受診した1,053名を基準として算出
●喫煙について
年々喫煙率が減少傾向になってきてはいるものの、全国平均と比較するとまだ高い傾向があるので引き続き禁煙対策を実施していきます。
※2020年度全国平均︓17.8% (2021年度以降の全国喫煙率データの統計は無し)
以上のことから、「BMI」、「喫煙率」、「メタボリックシンドローム」にかかわる指標を設定するとともに、メンタルヘルス関連の健康状態の改善を目指しています。ストレスチェックより「身体愁訴」の数を基にした指標を設定し、これら4点を健康管理指標として定めました。
定期的に従業員へのアンケートを実施し、アブセンティーイズム・プレゼンティーイズム・ワークエンゲージメントを数値化し、その経過を確認しています。
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
アブセンティーズム※1 | - | 1.9日 | 2.3日 | 2.0日 |
プレゼンティーズム※2 | - | 74.9% | 75.1% | 74.6% |
ワークエンゲージメント※3 | 3.7点 | 3.6点 | 3.6点 | 3.7点 |
傷病による休職者人数 | 14人 | 11人 | 18人 | 32人 |
(※1)ストレスチェックアンケートにて、「昨年1年間に、自分の病気で何日休みましたか。(有休・欠勤・休職等すべて含む)」という設問で、平均日数を算出し、アブゼンティーズムを分析。
(※2)ストレスチェックアンケートにて、「病気やけががない時に発揮できる仕事の出来を100%として過去4週間の自身の仕事を評価してください。」という設問にて、平均の%を算出し、プレゼンティーズムを分析。
(※3)CTSAP Pulse Survey、ANA’s Surveyにて、ワークエンゲージメントにかかわる各種設問をスコア化。(5点満点)
ANA新千歳空港(株)の健康関連コストのほとんどは、プレゼンティーズムによる損失(従業員の生産性低下)となっています。なお、一人当たり健康関連コストは以下のグラフの通りとなっています。
合計 | 891,438円 |
プレゼンティーズム | 762,000円 |
アブセンティーズム | 16,438円 |
医療費 | 113,000円 |
BMI適正者比率 | 喫煙率 | メタボリックシンドローム 該当率 |
身体愁訴該当率 | |||||
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
2018 | 67.0 | 76.2 | 47.5 | 6.8 | 15.6 | 1.9 | 28.1 | 40.0 |
2019 | 66.4 | 77.4 | 38.7 | 6.2 | 18.8 | 1.6 | 26.6 | 41.7 |
2020 | 60.9 | 75.0 | 33.7 | 5.5 | 19.6 | 1.7 | 27.0 | 38.0 |
2021 | 60.3 | 73.1 | 31.8 | 5.0 | 18.4 | 1.8 | 23.0 | 42.2 |
2022 | 確認中 |
BMI適正者比率 | 喫煙率 | メタボリックシンドローム 該当率 |
身体愁訴該当率 | |||||
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
2023 | 68.0 | 79.0 | 30.0 | 4.5 | 15.0 | 1.0 | 25.0 | 35.0 |
2024 | 次期中期計画にて策定 | |||||||
2025 |
●健康経営の実施により期待する効果
健康な社員が業務に従事し最高なサービスを提供することで、お客様の笑顔につながり、再びANAグループをご利用いただけることを効果として期待しています。
※参考:平均勤続年数:2021年3月現在 5年8ヶ月
●その他
更新日:2022年10月14日
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